* 東名阪SPECIAL LIVE

てらきんさん
2000年9月14日 名古屋 ボトムライン
2年ぶりになりますか、名古屋ボトムでのライブ。
予定では 18:00入場、18:30からライブスタート。
ライブのスタッフから「開場は、ステージの最終調整のため遅れます」って
ことだったんだけど、18時10分くらいになって開場しました。
整理番号順に、ゾロゾロ入っていきます。
今日はライブなので、カメラ等は持ち込み禁止です。荷物検査のところで
持ってた袋を開けてチェックを受けてから入場。 入場してからどのくらい待ったころかわからないけど、最前列から
「サ〜イ〜コ〜!サ〜イ〜コ〜!」ってサイココールが。
僕も手だけ叩いていたら、しばらくして場内が真っ暗になった。
サイコ登場か?みんなが「わぁ〜!」って盛り上がった時に場内放送から
サイコの声が。
(場内放送って、ライブハウスでの登場の仕方にしちゃ珍しい?)って思ったら・・・

「わたしは、この音楽業界から 身を引くことにしました。この汚れた音楽業界に
これ以上いることはできない。」

誰も何も声が出ない、シ〜ンとしてる。
真っ暗な場内で、サイコの声だけが淡々と流されてる。
上記の言葉は、ホントはもっといろいろ語ってたんだけど、僕がちょっと
呆然としてたので、何を言ったのか詳細に憶えていない。

サイコのメッセージが終って、しばらく真っ暗な場内にみんな立ち尽くすような
状態だった。
そこへ、バンドメンバーが登場して ステージにいきなりライトが当たります。
いきなり演奏開始、1曲目「COUNT DOWN」。
みんな、さっきの静けさとは打って変わっていきなり盛り上がりだした。
サイコ登場に「サイコ〜!」のものスゴい声援。
この時 僕はまださっきのメッセージを反復していたので、みんなの盛り上がりに
ついていけてなかった。
サイコは「COUNT DOWN」を笑顔で唄ってる。

2曲目「DO YOU WANNA DANCE」
この曲を生演奏で聴くのは初めてです。ただ、この時もまだ僕は
さっきのメッセージと、ステージ上のサイコが結びつかなくて
手拍子もしないでただただ見てただけ。

2曲終わって、「どうも〜 サイコでぇ〜す!」声がウラ返ってる?
サイコ「声が枯れて GUGUガンモみたいになっちゃった」
みんな爆笑。
サイコ「みんな元気だったぁ〜?」
これにみんなも「おぉ〜!」
サイコ「わたしはニュースとか全然見てなかったんだけど、名古屋は洪水で
大変だったそうで。みんなが言うには、こんくらい(オデコのあたりに手をやって)水がきたの?」
う〜ん、どう答えていいかわかんない・・・
ここでは、自身の引退については一言も触れませんでした。

3曲目「(?)」
実は、ここで何が唄われたのかが どうしても思い出せない。
「インコ」か「心臓」かどっちかだと思うけど、なぜが忘れてしまってる。
サイコのラストライブだっていうのに、なんだこのザマは。

4曲目「有罪」
この曲は、8月に山梨・小瀬のサッカーでのミニライブでも聴いたんで
生演奏で聴くのは2回目です。僕はこの曲は特に好きなんで、けっこうノッて
聴いてました。

5曲目「天国」
この曲も好きですよ、鳥肌が立つほどにストレートな叫びがきますよね。
ただ今回は、この曲の最後のところ
「ずっと、生きてたい!生きてたい!もっと、生きてたい!生きてたい!」って
絶叫するとこ、アレを生でサイコが唄ってるとこを見てたらなんだか
切なくなってきちゃった。

ここでたしか、今日のライブのメンバー紹介があったんだよね?
実は、ハッキリ言って サイコ以外のバンドメンバーのことなんかどうでもよかった。
だからあんまりよく聞いてなかった。
ギターはプロペラの権田タケシさん、ドラムはいつもの“ささドラ”。
ベースと もう一人ギターがいたんだけど、名前を聞き逃した。

サイコが一通り バンドメンバーを紹介し終わって、
「以上のメンバーでお送りしま〜す」って言ったら、前列のほうから
「ヴォーカルは?」って声がした。それを聞いたサイコは、ギターの(?)に
マイクを渡して「わたしを紹介して」ってお願い。
ギターの(?)は、ハズかしがりながら「ヴォーカル、サイコ!」って小声で。
みんなで「わぁ〜!」以上、メンバー紹介でした。

ここで初めて、サイコ自身の口から メジャーからの引退について。
「デビューして10年ガンバってきたけど、この音楽業界はホントに汚い。
そんな汚い人達にも『おはようございま〜す』って頭を下げてやっていかなきゃいけない
そんなところにいるのにもう耐えられない、疲れちゃったんです。
唄を唄えるなら別にメジャーにこだわらない、インディーズでもなんでもいい、
みんなの知らないところでこっそりとやっていくかも」
この「みんなの知らないとこでやっていくかも」って言葉の後に、みんなから
「探す、探すよ」って声がありました。

実を言うと、上記のサイコの話については 僕は少し異論があるんだけど
文章だとこれを伝えにくいので、省略します。

サイコ「さて、空気をおもいっきり固めたところで次の曲。みんなもいっしょに
唄ってくれると うれしいです」
6曲目「あの素晴らしい愛をもう一度」
「一緒に唄って」ってサイコは言ったけど、あんまり唄う心境じゃない。
僕は手拍子だけで聴いてました。

7曲目「ループ」
これを唄ってるサイコが、だんだんマイクスタンドにすがりついて
自力で立ってないように見えた。

8曲目「やわらかに ゆるやかに」
そういえばこの曲も、小瀬のサッカーのライブで聴いたっけ。
あの時はハーフタイムでのライブだったから、サイコも伸びやかに
みんなを励ますように唄ってた。
今日の唄い方がサッカーの時と違うのは、こっちからもハッキリ見えるくらいに
サイコが頬に涙を流しながら唄ってたこと。

サイコ「みんな、事故には気をつけようね」って、そりゃサイコ自身のことじゃん。
サイコ「このライブツアーが終わったら、また入院します。身体中に入ってる金具を
全部取り外すんです。
医学の進歩ってスゴいですよね、事故の時の、手術前の写真を見せてもらったんだけど
もう顔から身体から中が見えちゃってグチャグチャだった。それが一回の手術で
外見からは判らないぐらいまで治ってしまってる」

サイコから「車には気をつけようね!」
みんな(小声で)「はい・・・」
サイコ「声が小さ〜い!」
みんな「は〜い!」

9曲目「アイスクリームマン」
この曲、「サイコ」の中でもあんまり意識して聴いたことがなかった。
ライブで初めて歌詞を紡ぎ取るように聴いたら、こんなに切ない唄だったとは。

10曲目「長い放課後」
サイコが「この曲には 思い入れがあります」って唄う前に言ってました。
「ひとりぼっちの意味」とこの曲は、おそらくサイコが一番“特定の他人のことに
思いを馳せながら”唄うからじゃないのかな?ってちょっと思いました。

11曲目「9-nine-」
正直、この選曲は意外だった。このライブで「9-nine-」とは・・・?
アルバム「9-nine-」が発売された後のライブが事故で中止になって
ステージで唄う機会がなかったからなのか?
ここから、サイコは連続で唄い続けます。

12曲目「葛藤」
ん?少し楽曲全体のキーが上がってる?
それをモノともせずにサイコは唄ってる。

13曲目「HELP」
これもやっぱり、キーがちょっと高くなってる。テンポもちょっと速いような気もしたけど
それは音が高いせいか?
サイコは全くモノともしないで唄いまくってる。こんなに高い音で、速いテンポで
パワフルに唄いつづけられる、この時ほどサイコのヴォーカリストとしての実力を
見せつけられたことは今までなかった。
こんなに唄えるサイコなのに、それでもやっていけないものなのか?

14曲目「VOICE(LIVEバージョン)」
夢破れて挫折しそうな時に、サイコはこの曲を誰に向けて唄ってるんだろう?
このLIVEバージョン、サイコのライブがこれでラストだとしたら
今後二度と聴けなくなるってことなのか?
今さら「CDで出してくれ」なんて未練たらしいことは言いたくないけど、
この楽曲は無くしてしまうには惜しいじゃないですか。

「VOICE」を唄い終わって、サイコ&バンドメンバーはステージから消えます。
ここは我々ファンのフィールドですね。「サ〜イ〜コ!サ〜イ〜コ!!」の
合唱と手拍子で、会場が静まらないように みんな一生懸命です。

みんなのサイココールが続く中、ステージ上にバンドメンバーが戻ってきます。
サイコも戻って、場内「ウォ〜!」

15曲目「独立戦争」
この曲ってことは、これで最後なんだろうか?
「ハ〜レ〜ルヤ!ハ〜レ〜ルヤ!」で拳を振り上げることもこれが最後なのか?
「この曲を武道館で!」っていう目標は、結局果されず終いのままか?
「独立戦争」を聴きながら、腕を振り上げながら、サイコへ問い質したいことばっかりが
頭の中で巡っていたように思います(これからどうするんだよ、おい?!)。

サイコ「この『独立戦争』は、アルフィーの高見沢さんが作ってくれた曲なんだけど
デビューして、高見沢さんに会えて こんなにいい曲をもらえた。
高見沢さんに会ったこと、上田千華さんに会えたこと、そして新田社長に出会えたことに
感謝しています」

サイコ「その高見沢さんが作ってくれた曲です」
16曲目「希望の鐘」
この曲が、ラストの曲となりました。
フィナーレに「希望の鐘」とは、まさしく明日につなぐ希望だ。

「希望の鐘」を唄い終わって、サイコがバンドメンバーのほうを向いた途端
「ガタン!」ものスゴい音がして、ステージ上のサイコが倒れた。
「え!なに?!」みんな何が起こったのか一瞬わからなかったようだけど
すぐに「サイコ〜、大丈夫〜?!」「サイコ〜!!」口々に叫ぶ。
サイコは脇腹を押さえながらゆっくり立ちあがって、こっちに両手を振って
「どうもありがと〜」ホントに大丈夫なのか?

サイコがバンドメンバーに続いてステージを後にします。
これでもう、サイコのライブは終わりか・・・

・・・と思ったら、「アンコール!アンコール!!」後ろの客席のほうから
手拍子と共に大合唱が。
これはイベンターの仕掛けたモノじゃない、どっから起こったんだ?
僕もつられるように手を叩いていたら、イチカワさんが場内を走りまわって
アンコールを絶叫してた。

「アンコール!アンコール!!」どのくらい続いてたんだろうか?
サイコはもう一回出てきてくれるんだろうか?
延々続くアンコールの中で、僕はあきらめ半分で手を叩いてた。
と、サイコが一人でステージ上へ。マイクは持っているけど、バンドは誰も
出てこないので、唄はもう聴かれないんでしょう。

サイコ「みんなホントにありがとう。みんなに会えてよかった」
「わたしに少し時間をください。またいつかどこかで会えたら、応援してください」
「みんなも、1日を、1時間を、1分1秒を大切に生きていってください」
サイコの最後の言葉は、そんな言葉でした。

サイコがステージからいなくなって、ステージのライトは完全に消えて
会場には「希望の鐘」が放送で流れてるだけです。
みんなは「希望の鐘」が終わったころに、我に帰ったように出口に向かいます。
僕は入場時にもらったアンケートに、とりあえず今回のライブは最高のモノだったこと
そんなライブをこなせるのに、なんで?ってなことを走り書きで書いてたら
ボトムラインのスタッフに「会場片付けに入りますんで・・・」って言うから
書きかけのアンケート用紙を持って、会場を後にしました。


ひとまず、代プロのアーティストとしては最後のライブツアーとなった今回のライブ。
はたして、再びサイコのライブを見られる日は来るのか・・・?